一本とは何か?

剣道の試合を始めて実際に観た際に私自身も思ったことではありますが、「なんで当たってるのに旗上がらないの?上がるものとの差は何?」と思ったことがある方は多いのではないでしょうか。


特に子供に剣道をさせていてご自身が剣道をされていない保護者の場合は多いのではないかと思います。(私自身もそうでした)


剣道の一本には沢山の条件があります。


上図の通り、12個もあるのです。

要件の部分は絶対と言えますが、実際には大きな大会でも「当たっていなくても一本になる」ことはあります。

それは判定が審判の主観(剣道観)に委ねられていることもそうですが、上記要件要素の中でどれを重視するかにもよってきます。


突き詰めて単純化して言ってしまえば「相手は無力化できるけど、自分は助かる状況」であれば一本となると私は解釈しています。


なので相打ちだと「機会」が悪いので無効。


残心がないと、相手が道連れにしようとした際に抵抗できないので無効(人間は致命傷を受けても結構動ける)、当たったとしても強さが無ければ無力化出来ないので無効、等と武道の本質である「生き残ること」「相手を無力化すること」に遡って考えればなるほどと思います。


個人的には「当たっていなくても機会が良ければ一本」には全く賛同しませんが、現場で審判をしていると「当たっていなくても当たっているように見える」ことがあるのは否めませんし、逆もまた真なりです。


選手の場合少なくとも当たったか当たっていないかは分かるので辛いところですね。


ですので、指導者・保護者としては特に少年に対してこの一本の要件をしっかりと伝えて、試合に関しても講評していくことが重要なのではないでしょうか。


剣道自体が社会の中での地位を変遷させる中で、指導方法が昔ながらの「自分で考えろ」・「根性ある奴だけついてくれば良い」では剣道会は小さくまとまることになるでしょう。


きちんと子供でも分かるように言語化し、伝える努力を続けたいと思います。

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